導入講座2
導入講座の続きになります。簿記のことは気にせずに読み薦めて下さい。
新住居決定
3日後、入学手続きと、新しく住む場所を探しに大学まで行く。
入学手続きを終えると4月からこの大学へ入学するんだ。実感がいやでも沸いてくる。
あとは住む場所だな。大学で紹介してもらった不動産屋に入る。拓哉にとってはじめての経験だ。
「あの~。この近くで一人暮らし始めるのですが、物件紹介して下さい。」
これだけでも緊張する。
若い女性の木下という従業員が出てきて、
「4月から東明大学の学生さん?」
「はい、一応…」と私が答える。
「へえ、賢いんだね~、一人で住むとこ探してるの?」と言ってきた。
「まあ、そんなところです。」と曖昧な返事をする。
従業員の女性は、小柄で、目が大きく、化粧も薄くてとっても綺麗な人だった。歳いくつだろう~?とか考えていると、
「じゃ~今時間ある?いまからいくつか物件、見にいこうか?」
「横の駐車場で待ってて、直ぐにいくから」
「店長。物件案内いってきま~す。」と言って奥に入ってしまった。
5分後外で待っていると
「お待たせ」さっきの従業員がやってくる。
「さあ、行きましょう。車に乗って。」
「ところで、あなたの名前は?」
「拓哉です。」「森脇拓哉です。」とこたえる。
「拓哉拓哉くんね。いい名前ね」と木下さんは微笑んだ。
「物件を紹介する前にいくつか質問するね。」木下さんは言った。
「月の家賃、部屋の大きさ、大学までの通学時間とか、どのように考えてるの?」
このあたりの質問はくると思っていたので、手帳を開いてこたえる。
「月の家賃は60,000円以下で、部屋の大きさはそんなにこだわりません。」
「大学までは、スクーターで通おうと思っているので、15分以内が理想なんです。」
と答えると
「えらいね。ちゃんと計画立ててるんだ。」
「最近は、どこでもいいから紹介してくれって人多くてね」
「どこでもいいっていわれると紹介する方はとっても難しいのよ」
「では、まず1つめの物件から行ってみましょう」といって従業員は車を走らせた。
車の中では、高校生活のことや、両親から住む場所も自分で探しなさいといわれたことなどいろいろ木下さんと話した。
3つ目の物件の紹介を受けていた。
「ここのワンルームってどうかな?」
「大学まで20分ぐらいかかるけど、静かだし、部屋も広いし」
木下さんは言った。
「とってもいいですね~。ところで家賃はどれぐらいなんですか?」
どうせ高いだろうと思っていたが聞いてみた。
「家賃が55,000円です」従業員の女性は言った。
部屋をうろうろしながら、拓哉は考えた。台所はそんなに広くないけど、どうせたいした料理しないし、部屋は以外にひろいな、あそこにTVおいて、パソコン、ベッドも置けるな。ベランダもあるし…。
「ここ、本当にいいですね。ここにします。」と言った。
従業員は
「あとまだ3つぐらい物件あるよ。全部見なくていいの?」
というと。
「なんかここ気に入っちゃったんで、ここでいいです。」と言った。
「そう、じゃ~ここにしようね。」
と言って不動産屋に帰った。
不動産屋に帰ると契約に必要な書類を渡された。そのあといろいろ説明を受けた。入居するのに、敷金、礼金で会わせて家賃の4ヶ月分が要るってことや、ゴミ出しのことなど…。あと、手続きは1週間以内にとらないと無効になるってことも。
家財購入
住む部屋を決めた次の日、拓哉は不動産屋に行って支払いを済ませた。今日は、部屋の家具を一式揃えようと思っている。あらかじめ電気屋の場所を調べておいたのでそんなに苦労することはないだろう。歩いて10分の所に家電量販店上淀電機があるのでそこに行けば揃うだろうと思っていた。
上淀電機について中をみていると、一人暮らしセットというのが売っていた。一人暮らしができるように家電製品がセットになっているのである。内容を見てみると、テレビ、ビデオから洗濯機、電子レンジなどが付いていて、格安に販売しているらしい。
さっそく店員さんに声をかける。
「すいません~、このセットが欲しいのですが」
「はい、いらっしゃ~い」
「この一人暮らしセットですか?」